9月に入ったとはいえ、まだまだ残暑が厳しいですね。
暑い日があるかと思えば、涼しくなったり…
そろそろ、夏の暑さの疲れがどっと出てきた…
と言う人も多いのでは???
1年の最も紫外線量が多い、夏。
身体の疲れだけではなく、実は、紫外線の影響でお肌も疲れているかもしれません!
今回は、そんなお疲れな身体と肌に…
元気なパワーを与えてくれる、私たちの強い味方「ビタミン」のお話です。
ビタミンってどういうもの?
「ビタミン」は私たち人間や生物に必要な栄養素の1つです。
炭水化物・タンパク質・脂質・ミネラル・ビタミンは五大栄養素ですね。
その中でも、三大栄養素と呼ばれる「炭水化物・タンパク質・脂質」は、身体を作ったり、エネルギーになるものですが、ビタミンは直接的に身になるものではありません。
身体の動きをスムーズにしたり、健康を維持したりする、いわば他の栄養素の働きを助ける、潤滑油的な働きをしているのです。
人間に効果のあるビタミンは、13種類あり、身体の中での働きは種類によって違います。
基本的に、ビタミンの必要量はそんなに多くないのですが、身体の中では作られないので、食べ物や外部から摂る必要があります。
<ビタミンが不足すると…>
* 唇の荒れ
* 口内炎
などの比較的症状の軽いものや、
* ニキビ・吹き出物
* 肌荒れ
* 抜け毛
といったお肌のトラブル。
* 疲労感や貧血
* 足がつる
* 睡眠障害
* 頭痛
など、様々な症状を引きおこします。
また、ひどい場合は、成長障害がおこる可能性が高くなります。
いわゆる「ビタミン欠乏症」という疾病です。
ホルモンバランスが崩れたり、心臓疾患や胃腸障害など、怖い病気の引き金にもなり兼ねません。
<13種類のビタミン>
ビタミンには「水溶性ビタミン」と「脂溶性ビタミン」があります。
詳しくみてみましょう。
水溶性ビタミン
* ビタミンC
* ビタミンB群(B1、B2、B6、B12、パントテン酸、ナイアシン、葉酸、ビオチン)
の2分類9種類をいいます。
その名前のとおり、水に溶けやすいという特徴を持っており、私たちの身体の中では、水に溶けた状態で存在します。
水溶性のビタミンを持つ野菜などは、手早く洗い、長く水につけておくと、溶け出してしまうので注意しましょう。
煮汁にも溶け出してしまうので、煮汁も一緒に摂ると良いですね。
また、水溶性のビタミンは熱に弱く、「ビタミンC」は特に熱に弱いため、調理には工夫が必要です。
「水溶性ビタミン」は、身体に溜めておくことができないため、尿から過剰分は排出されてしまいます。
そのため、毎日必要な量を摂取する必要があります。
[ビタミンC]
皮膚や血管を守る役目があります。
抗酸化作用もあり、活性酸素を除去する働きもあります。
ストレスや喫煙で失われ易いと考えられています。
不足すると、
* 傷の治りが遅い
* 鼻血が出やすい
* 関節の腫れや痛み
などの症状が現れる場合があります。
* 貧血
* 消化不良
などのトラブルにもなり兼ねません。
* 緑黄色野菜(赤・黄ピーマン、芽キャベツ、菜の花、カリフラワーなど)
* 果物(特にレモン)
などに多く含まれています。
[ビタミンB1]
糖分をエネルギーに変換するのに必要なビタミンです。
不足すると、
* 疲労感
* 不眠
* いらいら
* 筋力低下
* 体重減
などが現れ、
* 胃腸障害
* 心血管障害
などが起こる場合もあります。
* 肉類(牛ヒレ)
* いりごま
* 豆類
* 玄米
* チーズ
* 牛乳
* 緑黄色野菜
などに多く含まれています。
[ビタミンB2]
色々な栄養素がエネルギーに変わるのを助けます。
不足すると、
* 疲労感
* 目の充血
* 口内トラブル
* 皮膚炎
などを引きおこします。
* 肉類(レバー)
* 卵黄
* 緑黄色野菜
に多く含まれます。
[ビタミンB6]
食べ物からタンパク質を合成し、成長を助ける働きをします。
不足すると、
* むくみ
* 不眠
* 貧血
* 皮膚疾患(特に抜け毛が顕著)
などが現れたり、こむらがえりが多くなったりします。
* 肉類(牛レバー)
* 卵
* 乳製品
* 魚類(まぐろ、かつお)
* にんにく
* 豆類(ピスタチオ)
などに多いとされています。
[ビタミンB12]
動物性食品に多く含まれており、赤血球の生成を助けて貧血を予防します。
不足すると、
* 疲労感
* 下痢
* 食欲不振
* 口内トラブル
がみられることがあり、
* うつ
* 神経系の炎症
* 平衡障害
を起こすこともあります。
* 肉類(牛レバー)
* 魚介類(しじみ、あさり、赤貝)
* 卵
* チーズ
などに多く含まれます。
[ナイアシン] (ビタミンB3)
アルコールの分解をおこない、エネルギーの代謝にも関わっています。
不足すると、
* 口臭
* 食欲不振
* 脱力感
などの症状が現れたりします。
* 頭痛
* 胃腸障害になることも。
* 肉類
* 魚介類(キハダまぐろ、めんたいこ、かつお節など)
* 海藻類
* 種実類(ピーナッツなど)
に多く含まれます。
[パンテトン酸] (ビタミンB5)
タンパク質や脂質、糖質の代謝を助けています。
不足すると、
* 不眠
* 疲労感
* こむらかえり
欠乏が酷くなると不整脈を起こすこともあります。
* レバー
* たらこ
* 豆類(納豆など)
* 卵黄
などに含まれます。
[ビオチン] (ビタミンB7)
皮膚や毛髪の健康を維持するのに役立っています。
不足すると、
* 抜け毛
* 傷の治りが遅い
* 乾燥肌
* 吹き出物
* ニキビ
などの症状があります。
* レバー
* 卵黄
* ナッツ類
* 鮭
* いわし
* アボカド
* カリフラワー
などに多く含まれます。
[葉 酸] (ビタミンB9)
胎児と乳幼児の発育に関与しており、赤血球の生成にも重要な役割を果たしています。
不足すると、
* 手足のしびれ
* 疲労感
* 不安感
* 貧血
* ホルモンバランスの崩れ
末梢神経と皮膚の神経に影響が出ることもあります。
* レバー
* 牡蠣
* タコ
* 豆類
* 葉物野菜
* 果物
* 焼きのり
などに含まれています。
脂溶性ビタミン
* ビタミンA
* ビタミンD
* ビタミンE
* ビタミンK
の4種類があります。
脂溶性ビタミンは、油に馴染む性質を持っています。
料理では、油を使った調理がおすすめです。
また、熱に弱いビタミンですが、その中でも「脂溶性ビタミン」は比較的熱に強いので、扱いやすいです。
注意が必要なのは、「摂りすぎないこと」です。
脂溶性ビタミンは、性質上、摂取後しばらくは体内に留まっています。
主に、脂肪組織や肝臓に留まるのですが、その時間はだいたい48時間くらいと言われています。
ビタミン類の中では、とても長く体内に滞在するわけですが、多量に摂取しすぎると肝臓や脂肪組織に蓄えられていた脂溶性ビタミンが、他の器官に流れ出して「過剰症」という症状を引きおこします。
症状は様々で、貧血、吐き気、血圧低下、肌荒れなど。
酷くなると、肝機能への影響や腎結石になることもあります。
[ビタミンA]
ビタミンAには、
緑黄色野菜に多く含まれる「βカロチン」(植物性のカロチン類)
動物性食品に多い「レチノール」
があります。
「レチノール」には抗酸化作用があります。
免疫力を維持し、皮膚や目の健康を保つ役割があります。
不足すると、
* 疲労感
* 暗い場所で視力が落ちる夜盲症
* 肌のトラブル
が起こります。
また、免疫力が下がるので、病気になりやすくなるとも言われています。
* レバー(鶏・豚)
* 緑黄色野菜
* 焼きのり
などに多く含まれています。
[ビタミンD]
骨や歯の形成の要となるカルシウムの吸収を助ける働きがあります。
不足すると、
* 骨がもろくなり、骨粗鬆症の原因に
* 虫歯
* 筋力低下
* 腎臓結石
といったトラブルを起こす可能性があります。
* 肝油(アンコウの肝)
* 魚類(カジキ、いくら、シラス)
* きくらげ
* しいたけ
などに含まれています。
[ビタミンE]
脂溶性のため、細胞膜に存在します。
脂質が酸化して、変質してしまうのを防ぐ働きがあります。
つまり、活性酸素から細胞膜を守っているのです。
また、血中のコレステロールの酸化を防ぎ、毛細血管の血行を良くする役目もあります。
天然のビタミンEには、
* トコフェロール類
* トコトリエノール類
があります。
それぞれに、「α、β、γ、δ」と細かく分けられており、全部で8種類あります。
不足すると、
* 肌荒れ
* 貧血
* 反射神経の低下
* 平衡障害
がおこります。
欠乏が酷くなると、
* 心疾患
* 不妊症
といった深刻な症状も引きおこします。
* 胚芽油(サフラワー油)
* 大豆類
* ピーナッツ
* アーモンド
* 穀類
* 緑黄色野菜
に多く含まれています。
[ビタミンK]
血液を凝固させる止血作用
血管の石灰化予防
骨のカルシウムの吸収や維持
といった役割があります。
骨粗鬆症の薬としても使われています。
不足すると、
* 血液の凝固作用が低下するので、出血しやすくなる
* 慢性的に欠乏すると、骨がもろくなり、骨粗鬆症のリスクが高まる
という比較的深刻な症状がおこります。
* 鶏肉
* 納豆
* 小松菜
* ほうれん草
* 海藻類
に多く含まれています。
さて、ここまで詳しく「ビタミン」の種類や作用、特徴などをみてきました。
私達の身体にとって「ビタミン」がいかに大切ものなのかが解りましたね。
では、具体的に「お肌にとってのビタミンの作用」はどうなのでしょう。
後編で詳しくお話しますね。