むくみケア〜むくみの原因と予防・解消法について〜
「むくみ(浮腫)」と聞くと…
立ち仕事で夕方になると足がパンパンになる…
オフィスで座りっぱなしで、足が浮腫んで靴がキツくなる…
寝起きに顔が浮腫む…
などなど、症状は様々ですね。
皆さんも、経験があると思います。
原因はなんでしょうか。
放置していても大丈夫?
解消法はあるの?
疑問を解決していきましょう。
むくみとは?
血管の外にある「細胞と細胞の間にある水分」が、過剰に溜まった状態を「むくみ」といいます。
「細胞と細胞の間にある水分」を「組織液(細胞間液)」といいます。
組織液は、動脈(心臓から送り出される血液が通る血管)から、酸素や栄養を含んだ水分を受け取って、細胞に運びます。
酸素や栄養を細胞に運び終わると、組織液は、静脈(老廃物や水分を心臓に戻す血管)へ、一部はリンパ管に流れて行くのです。
この組織液が適量なら問題はないのですが、何らかの原因で、
* 動脈からの水分量が増えたり、
* 静脈やリンパ管への流れが滞ってしまうと、
細胞のまわりに組織液が溜まってしまいます。
そして、溜まった組織液が過剰になると「むくみ」に繫がるのです。
人間の身体の60%は水分です。
体内の水分の1/3(3分の1)は細胞外にあり、その70%が組織液(細胞間液)だそうです。
正常な場合、血管内・細胞・細胞間・リンパ管の水分量はバランス良く一定量を保っています。
そのバランスが崩れてしまうと、むくみに繫がるということなんですね。
人間の身体って、本当に不思議ですね。
むくみが起きるメカニズムは解りましたね。
では、組織液(細胞間液)のバランスを崩してしまう原因は一体何なのでしょうか。
<むくみの原因>
むくみには、一時的な「生理的むくみ」や「病気などが原因でおこるむくみ」があります。
ここでは、一時的なむくみ(生理的なむくみ)の原因について調べてみました。
長時間の同じ姿勢
立ちっぱなし・座りっぱなしなど、同じ姿勢が長時間続くと、重力で血液や水分は下に下に溜まってしまいます。
老廃物や組織液の水分は、静脈で心臓に運ばれます。
静脈は、身体の高い位置にある心臓へ、「静脈圧(血圧)」で流れる訳ですが、常に足が低い位置にあると、「静脈圧」は上がり、血管から水分が押し出され、むくみに繫がる…ということになります。
また、筋肉を動かさないというのも、血液や水分が滞る原因になります。
ほとんどの場合、起きている間に、下肢に血液や水分が溜まってしまっても、夜、横になって寝ることで、正常に戻り、翌朝にはむくみが解消されます。
冷え性・血行不良
身体の冷えが常態化すると、血流が滞ります。
血流が悪くなるとむくみが発生、むくむと筋肉が硬くなり血行が悪くなり冷えが増長します。
冷え性・血行不良はむくみとの悪循環になります。
気を付けたいですね。
運動不足
運動不足は筋肉量を減らしてしまいます。
筋肉量が減ると、基礎代謝が低下するので、新陳代謝が悪くなり、血行不良を引きおこし、結果、むくみの原因にもなります。
塩分・糖分の摂りすぎ、栄養不足
塩分や糖分の摂り過ぎは、むくみの大きな要因の1つです。
また、タンパク質やミネラル(カルシウム・カリウム・マグネシウム)、ビタミンなどの栄養不足もむくみの原因になります。
食生活の乱れは、むくみだけでなく、身体全体のデメリットとなります。
インスタント食品や外食をなるべく避け、バランスのとれた食事を摂りましょう。
アルコールの摂りすぎも、ミネラルバランスを崩してしまい、良くありません。
睡眠不足
むくみを次の日に残さない為には、睡眠(身体を横にして休める事)が重要です。
睡眠不足はもってのほか。
6時間以上の質の良い睡眠が理想とされています。
また、生活習慣の乱れも、むくみの原因になります。
ストレスフリーな生活もむくみ予防になります。
ホルモンバランス
年齢を重ね、更年期に入ってくると、ホルモンの影響でむくみになりやすい人が増えるそうです。
若い人でも、女性は生理周期の前後で、むくみが出ることがあります。
自律神経の乱れも、むくみの原因になります。
<むくみの症状>
一般的に、痛くないけど腫れているのが「むくみ」です。
多くは、一過性のもので、長時間持続しません。
ずっと同じ姿勢の時になりやすく、
* 寝起き
* 長時間座りっぱなし
* 長時間立ちっぱなし
などで起こることが多いようです。
* 寝起きに顔が腫れぼったい
* 夕方ふくらはぎがパンパンになる
* 朝はジャストサイズだった靴が夕方になるとキツくなる
* むくんだ場所を押すと凹む
など、心当たりある人もいらっしゃるでしょう。
一過性のむくみ(例えば朝起きて、顔がむくんでいても、1~2時間で消えるようであれば)そんなに心配はありませんが、
* 長時間のむくみ(朝から夕方までむくんでいる)
* 慢性的なむくみ(いつも同じ場所がむくむ)
* むくんだ場所を指で押すと凹まない
などの症状は、病気からのむくみも考えられるので要注意です。
<むくみの予防と解消法>
顔はもちろん、手足のむくみは、見た目も気になります。
予防方法を知って、むくみにはさよならしたいですね。
また、むくんでしまった場合の解消法も知っておけば役に立ちます。
むくみの予防法と解消法をみていきましょう。
筋力を高める(筋肉量を増やす)
特に、足の筋力を上げることで、血液の循環が良くなります。
血液循環が良くなると、動脈と静脈の流れがスムーズになり、全身の組織液が適度に保たれ、むくみ予防になります。
冷やさない(温める)
冷えは、血行不良(血液循環の滞り)に繫がります。
冬場の寒さも大敵ですが、夏場のエアコンも実は冷えの大きな原因の1つです。
とくに、ふくらはぎや内臓の冷えは良くありません。
夏でも、半身浴をする、湯船につかって血行を良くしましょう。
また、マッサージも効果的です。
入浴時や、寝る前、起床後など、むくみ易い「ふくらはぎ」「手のひら」などを、マッサージすると良いそうです。
運動をする
適度な運動は、筋肉量を増やし、筋力を上げます。
むくみの解消はもちろん、基礎代謝が上がることで、太りにくくなります。
オフィスで座りっぱなしの人は、こまめに席を立つ、階段を使う、などして、全身運動を心掛けましょう。
1日30分程度、早足で歩くだけでも筋力アップに繫がります。
通勤時、1駅歩いてみるのはどうでしょうか。
むくみ予防だけでなく、健康にも良さそうですよ。
「むくみ」は、血液とリンパの流れが原因だということが解りましたね。
心臓にも関係してくるので、たかがむくみ、と侮れません。
足のむくみは特に気を付けたいですね。
今回は、一時的な、あまり心配のいらない「むくみ」のお話でしたが、
* 慢性的なむくみがある
* 睡眠をしっかりとっても朝までむくみが続く
* 動悸や息切れがある
* 尿量が極端に減る
などの症状を伴う場合は、早めに内科を受診しましょう。
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いまさら人に聞けないスキンケア:シリーズ
~ 基本のキ~
<第15回>
知っているようで、実は詳しく知らない…
スキンケア用語解説シリーズ:「リンパ」
「リンパが腫れる」とか「リンパの流れに沿ってマッサージをするといい」とか、よく耳にしますね。
実際、首のリンパが腫れて痛いとか、マッサージを受けた方もいらっしゃるのでは?
リンパという言葉は普通に使われていますが、私たちの身体にとっての働きとは?
身体のどこにあるの?
腫れてしまうのはどうして?
疑問を解消していきましょう。
リンパとは?
リンパ管を流れるリンパ液をいう。
血漿(血しょう)は一部が毛細血管から組織中に滲出して組織液となるが、その一部がリンパ管に入ってリンパ液となる。
黄色味を帯びた透明なアルカリ性の液体で、化学組織は静脈血血漿と良く似ているが、蛋白質量に大差がある。(ブリタニカ国際大百科事典より)
※ リンパ管とは?
リンパが流れる脈管。構造は大体において静脈に似ており、静脈と同一方向に流れる。
(大辞林第三版より)
少し難しい説明ですが、要するに…
私たちがよくつかう、「リンパ」という言葉は「リンパ液」のことなんですね。
リンパ液は、細胞に吸収されなかった組織液の一部という訳です。
そして、その「リンパ液」が流れる管が「リンパ管」。
「リンパ管」は体中に張り巡らされていて、回収した組織液を再び静脈に戻す役割をしているのですね。
<リンパの働き>
リンパ液は、白血球の一種である「リンパ球」を含んでいます。
リンパ液には大きく2つの役割があります。
体中のリンパ管を通って、体内の老廃物を回収し運搬する
ウイルスや異物の侵入を防ぐ免疫機能がある
リンパ液の通り道、リンパ管には所々に「リンパ節」があります。
「リンパ節」には、フィルターのような役目があり、ウイルスや異物は「リンパ節」に集められ、免疫機能によって処理されます。
「リンパ管」は、体内に約800ヶ所くらいあるそうです。
特に、首周り、デコルテ周り、脇の下、股の下辺りに多く集中しています。
よく、風邪を引くと、首のリンパが腫れたと言いますが、これはリンパ節でリンパ液がウイルスを処理している、そのエネルギーなのですね。
<リンパが滞ると…>
血液は、心筋(心臓の筋肉)がポンプの役割をして、動脈から血液を送り出し、静脈から心臓へ戻ってくるしくみでしたね。
しかし、「リンパ液」は血液とは違って、筋肉を動かす(収縮させる)ことで流れるしくみになっています。
ですから、運動不足だったり、長時間同じ姿勢、座りっぱなしでいると、筋肉の収縮が行われず、筋力が弱ってしまい、リンパの流れが滞ってしまいます。
リンパの流れが悪くなると、
* 冷え性
* むくみ
* 免疫力の低下
* 肩こり
などを引き起こしてしまいます。
セルライトなどの症状が出てしまう場合も…
<リンパの流れを良くするには?>
運動不足を解消する
リンパは、筋肉の収縮で流れるので、適度な運動で筋力アップを目指しましょう。
特に、オフィスワークの人、立ち仕事の人はこまめに動くなど気をつけましょう。
身体を温める
冷えは、リンパだけに限らず、身体にとって良くありません。
冷え性にならないよう、冷房に当たり過ぎないことはもちろん、入浴や保温性のある衣類、身体を温める食材などを積極的に摂りましょう。
ストレスを溜めない
身体がストレスを感じると、自律神経の働きが低下し、リンパの流れが悪くなります。
血液も同じでしたね。
むくみのお話でも触れましたが、睡眠不足や食生活の乱れも要注意です。
マッサージをする
エステサロンなどでの施術がおすすめですが、ご自分で入浴時や就寝時におこなう場合は、リンパの流れ(静脈と同方向なので、心臓方向へ)に沿って、適度な強さで行いましょう。
強すぎると血管やリンパ管が圧迫されて逆効果です。
水分不足を解消する
私たちの身体は60%が水分で出来ています。
水分が足りないと、老廃物が溜まってしまったり、血液ドロドロにもなりかねません。
過度な水分の摂りすぎはNGですが、適度な水分補給を心掛けましょう。
私たちの身体にとって、血液だけではなく、リンパもとても大切なものなんですね。
自分でマッサージするといっても、なかなか上手くできないもの。
定期的に、エステサロンなどで、プロのリンパマッサージを受けてみるのも良いのではないでしょうか。
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